TRUTH
小児矯正の真実
01小児矯正を取り扱っているから
安心だとは限らない
小児矯正を任せる歯科医院を選ぶ際に覚えておきたいのは、「小児矯正ができます」という看板だけでは本当の専門性は測れないということです。歯科大学で学ぶ小児歯科はむし歯治療や予防が中心で、顎の成長をコントロールしたり筋機能を整えたりする本格的な小児矯正はカリキュラムに含まれていません。その高度な技術は、卒業後に専門研修や学会で学び続けて初めて身に付くものです。ところが、こうした専門資格を持つ歯科医師が在籍する医院は全国のわずか2〜5%ほどしかなく、「近くにあるから安心」とは言い切れません。また、成人矯正が中心のクリニックでは「永久歯が生えそろうまで待ちましょう」と治療開始を先送りされることもありますが、実は6〜10歳の混合歯列期こそ成長の力を借りて負担を最小限にできる“黄金期”です。さらに多くの医院では、筋機能トレーニング(0期)から拡大床や部分ブラケット(1期)、そして本格ブラケットやマウスピース矯正 期)へと段階ごとに契約が追加される仕組みになっており、総額が 100 万円を超えるケースも少なくありません。だからこそ、お子さまに最適な時期に無理なく治療を進められ、料金体系も明確な「小児矯正専門医院」を選ぶことが、ご家族の安心と将来の笑顔を守る近道になります。
02個人に適した矯正装置を
使用した治療を
提供できているか
成長期の子どもは骨格の成長の仕方や歯の萌出順序、生活習慣まですべてが異なります。そのため 、「この年齢だからこの装置で十分」という画一的な処方は存在しません。しっかり正しい歯並びにしている歯科医院はまず、パノラマ・口腔内写真などで多角的に検査し、さらに咀嚼筋の働きや口呼吸の有無までも評価したうえで、拡大床・マルチブラケット・リンガルアーチ・可撤式マウスピース型など複数の装置を候補に挙げます。そして、各装置のメリット・デメリット、必要な装着時間、生活面での注意点を保護者と共有し、一人ひとりに最適化された“治療計画書”を作成します。オーダーメイドを徹底する医院ほど、途中での装置変更や治療の後戻りが少ない傾向があります。
03矯正の専門家や小児の専門家が
在籍しているか
乳歯・混合歯列の段階では、むし歯・外傷・口腔機能不全など、多くのトラブルが同時進行します。そのため、 「矯正医だけ」「一般歯科医だけ」では診断が片手落ちになるリスクがあります。日本矯正歯科学会認定医や指導医、あるいは日本小児歯科学会専門医がおり、定期カンファレンスで治療方針を擦り合わせる医院はさまざまな視点で診断できます。
04豊富な症例実績があるのか
症例数は医師の経験値であると同時に、治療の再現性を測る客観的指標でもあります。年間新規症例数と累積症例数が開示され、年齢層別・不正咬合別・治療期間別に統計を示せる医院は、データ管理が行き届いている証拠です。また、似た骨格パターンのビフォーアフターを提示できる医院は保護者が治療後を具体的にイメージしやすく、治療のモチベーション維持にもつながります。加えて、症例報告を学会発表や論文で外部評価にさらしている医院は、治療成績を“自院内だけの成功体験”で完結させない透明性を備えています。
05明確な料金体系に
なっているのか
小児矯正の総費用には、装置代・調整料・保定装置料・観察料などが含まれます。多くの矯正をやっている医院はそれらを治療開始前に一覧化した見積書で提示し、追加費用が発生し得る条件を文書で明記します。さらに、装置破損や紛失時の対応、治療途中での方針変更時の追徴金、転居・転院時の返金ポリシーまで規定しています。「総額表示」「追加費用ゼロ」「上限設定あり」のいずれかを採用する医院ほど、費用面のトラブルが少ない傾向にあります。不明点が残る場合は、遠慮なく質問し回答を文面で残してもらうことが重要です。
06子どもを通わせやすい
医院なのか
治療を最後までやり抜く鍵は、通院のハードルを下げる工夫にあります。キッズスペースで待ち時間のストレスを軽減します。さらに来院ポイントカードや写真アルバムなど“楽しみながら続けられる仕掛け”を設けることで、装置の装着率や継続的な通院の可能性が大幅に向上します。診療室内で保護者が同席できるか、待合室から治療の様子を見守れるかも安心材料になります。子どもが「また来たい」と口にする医院は、結果として治療効率も高く、保護者の精神的・金銭的負担を軽減します。